伊勢甚日立店に勤務していた元社員の井手よしひろ氏は、在職当時を「初めから無理な計画だったんだろうと思いながらやっていた」と振り返る。日立の商圏構造には限界があったことを、現場も感じ取っていたのかもしれない。
②顧客の6割が企業関係者だった
同じ調査には、日立市内の商店の顧客構成も記録されている。日鉱・日製関係者が57.4%、一般市民35.5%、農村関係7.1%。
日立の商業は、日立鉱山と日立製作所の従業員、その家族によって支えられていた。
特に、百貨店と相性の良い業種ほど企業依存は強かった。呉服67.2%、時計67.4%、玩具・運動具66.0%が企業関係者による購買だった。日常品ではなく、衣料品や贈答品、趣味性の高い買い回り品ほど、会社員需要への依存度が高かったといえる。
