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「混雑カフェ」からあぶれる人の駆け込み寺に…《SHARE LOUNGE》女性客から支持される空間設計の巧みさ

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滑走路が窓の向こうに。飛行機の離発着が目の前で見られる、福岡空港のSHARE LOUNGE(写真:筆者撮影)
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福岡空港店にある、3名以上で利用できるソファ席。夏休み期間に訪れた際には、母親が仕事、小学生らしき娘さんふたりが勉強をしていたのを見かけた(写真:筆者撮影)

イノゲート大阪だけにある独自ポジション

「ほどよいバラバラさ」を象徴するもう一つの存在が、イノゲート大阪の責任者である、富田さん自身の役職だ。

「この店だけにあるポジションなんですが、私は『イベント・コミュニティマネージャー』という役職です。責任者であると共に、イノゲート大阪の企画と運営を担当しています」(富田さん)

このポジションが生まれた背景には、オーナーであるJR西日本ステーションシティの存在がある。

「梅田だけでもオフィスビルはたくさんあります。その中で『他のオフィスビルとはちょっと違う』というところを、JR西日本さんは強みにしたかった。出店要請をいただいた際、『入居するオフィスワーカー同士がつながれる場にしてほしい、業種を超えて交流できるイベントを多くやってほしい』というリクエストがありました。それで、梅田 蔦屋書店のイベントを企画していた僕が参加することになったんです」(富田さん)

富田さんは、JR西日本と隔週でミーティングを重ね、入居企業のワーカー向け企画を作り続けてきた。2025年度に開催したイベントは110回に及ぶ。規模も5~数十名と多様だ。

イノゲート大阪の会議室で開催されたビジネスイベント(写真:カルチュア・コンビニエンス・クラブ)

ただし、富田さんが描いた青写真通りには進まなかった部分もある。

「当初は、ワーカー向けにビジネス系のイベントを開催していたんですが、集客に苦戦しました。というのもオープン時は入居オフィスがまだ3割ほどで、ワーカーが少なかったんです。だから来店動機の幅を広げようと、美容やヨガ、資産形成など、女性ワーカーや学生にも訴求するイベントを開催していました」(富田さん)

イノゲート大阪で開催されたヨガイベント(写真:カルチュア・コンビニエンス・クラブ)

今はオフィスビルのフロアが100%稼働に近づいてきたため、来期はワーカー向けに寄せた企画を仕込んでいるそうだ。ただし、ビジネスばかりということではなく、趣味分野で楽しめる内容も準備している。

こうやって、一店舗の運営責任者がビルオーナーと議論しながら、入居企業の稼働状況に合わせてイベントの方向性を調整する。本部一括のオペレーションでは到底できない、現場での意思決定だ。「店舗ごとにバラバラ」を貫けるのは、富田さんのような現場担当が、自身の店の客層を肌感覚で把握しているからでもあるのだろう。

ただし、イベントスペースは2026年3月から縮小している。SHARE LOUNGEを24席拡張するリニューアルを実施したためだ。オープンから、満席で客が入れないという事態が発生していたため、イベントスペースだった一画も、SHARE LOUNGEに転換したのだ。

3月に拡張されたスペース。完成してから、筆者は「満席で入れない」という経験はしていない(写真:カルチュア・コンビニエンス・クラブ)
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