「外部のデザイナーの方とご一緒して、『家にいるような居心地の良い空間の提供』にこだわった結果でした。そこから、書店作りには居心地というものをかなり重要視しています。SHARE LOUNGEに関しても、そこは同じです」(富田さん)
「女性客が多い」理由
この設計思想は結果として、業界の常識から少し外れた客層構成を生み出した。
「他社のコワーキングやシェアオフィスさんですと、男性の利用者のほうが多いのが一般的です。でもSHARE LOUNGEは全店平均を見ても、各店ごとに見ても、女性のほうが多いんです。半数強が女性のお客様という形になっています」(川口さん)
たしかにSHARE LOUNGEでは、男性が多い従来型コワーキングではあまりみかけないサービスを見かける。たとえば、離席時に席をキープできるためのクロス、冷房対策のブランケット貸し出し、店によっては抹茶マシン、豆乳ドリンク、あと少女漫画も…。女性だけではないのかもしれないが、客のニーズを意識して生まれたこれらのサービスが、女性客の安心感と満足感につながっているに違いない。
利用客は世代も幅広く、20~40代を中心に、10代から70代まで幅広い。興味深いのは、オープン当初の2020年頃には少なかったという「学生の勉強利用」が全店で増えていることだ。
「事業が立ち上がった2020年ぐらいにはそこまでいらっしゃらなかったんですが、最近は全店的に増えてきていますね。親御さんにとってもSHARE LOUNGEで勉強させておいたら安心、というふうに思って選んでいただけているのかなという実感があります」(川口さん)
父が見ているプロ野球中継の音に悩まされながら勉強していた筆者には、羨ましい限り。"図書館でも塾でもない第3の勉強場所"として、SHARE LOUNGEは浸透しつつあるのだ。
川口さんは、全世代に共通する利用者の声をこう語る。
「どの年代の方からも聞かれるのは、しっかりと集中する時間と空間を確保できるという声です。混み合ったカフェの机では集中しきれない、家では家族の声が気になる。SHARE LOUNGEに料金を払って入っているからこそ、頑張ろうという気持ちになる――そういう声をいただきますね」
