また、前編で触れたように、フード・ドリンクの標準ラインナップのうち、各店舗が独自に種類を選択する仕組みも、店舗ごとの個性を生み出す装置だ。
このような「ほどよいバラバラさ」こそが、各店舗の客層に最適化された空間を生み、結果として他のコワーキング施設、シェアオフィスとの差別化につながっている。
加えて、違うからこそ、出張や旅先のSHARE LOUNGEに立ち寄る「回遊客」も生み出している。筆者も出張時、東京の複数店舗や福岡の店を利用することがあるが、大阪で行きつけの2店舗とは驚くほど違う。福岡空港内の店からは、滑走路から飛び立つ飛行機が間近に見えて爽快だ。「SHARE LOUNGEに行けば仕事もできてくつろげる」という安心感と共に、その違いを見るのが楽しみでもある。
用途を限定しないのがSHARE LOUNGEらしさ
SHARE LOUNGEは、カフェとして利用したり、お酒も飲めるなど、一般的な「コワーキングスペース」「シェアオフィス」とは異なる。CCCも、そう位置付けてはいない。SHARE LOUNGEの共通コンセプトは、「発想が生まれ、シェアする場所」だ。川口さんはこう説明する。
「カフェとしても、もちろん仕事や勉強にも使える。その用途を限定していないのがSHARE LOUNGEらしさです。だから、コワーキングやシェアオフィス事業者さんと領域が完全にはバッティングしません。そこはひとつの強みですね」
このスタンスは、2011年にCCCが開業した代官山 蔦屋書店から続く「居心地のいい空間設計」のDNAを受け継いだものだという。
代官山 蔦屋書店は、大型書店の高層化がトレンドになりつつあったなかで、かなり挑戦的な店だった。低層で棟が分かれ、音楽やライフスタイルコーナー、飲食店も設けられている。
