「肉を食べ終えたら帰る」ではなく、「飲みながらそのまま居続ける」ことが自然になる構造だった。
周囲の席でも、最初は肉を焼いていた客が、途中から小皿だけを追加してハイボールを飲み続ける場面が見られた。追加注文のテンポは遅く、食事というより会話の時間が中心になっていく。卓上タワーから各自が無言で酒を注ぎ足す光景は、一般的な食事店というより酒場に近い空気感を生んでいた。
21時前後の客層の変化も印象的だった。家族連れや40代以上の客が帰り、20代中心の客が入ってくる。完全な「2軒目専門店」ではないが、21時以降に店の使われ方が変わっていく様子は観察できた。21時半以降にも新たな客が入ってきており、深夜帯にも一定の集客があるようにも見えた。
「成長業態」と明言した経営判断
ラムちゃんの既存店売上高は2026年3月期第3四半期累計で前年同期比108.6%となっている。ラムちゃんを展開する一家ホールディングスの2026年3月期第3四半期決算補足資料には、ラムちゃんについて「好調に推移しており、博多劇場に続く主力業態として、出店を拡大していく。今後はFCでの展開も推し進める」と明記されており、「屋台屋 博多劇場」「大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん」「にのや」を中心に新規出店しながら飲食事業の収益性向上を図る方針も示している。
2019年の千葉・柏店1号店から始まったラムちゃんは、2026年4月24日の人形町店オープンで16店舗となった。同社は2030年までに50店舗体制の構築を目指す成長戦略を掲げており、「店舗数日本一のジンギスカン専門チェーン」と自社調査として打ち出している。
