AIが監視するのは「マウスの動き」ではない
――AIに仕事を代替され、失業が進むと懸念されています。
AIで仕事がなくなることは起きないわけではないが、それはAIの本丸ではない。企業がAIを使って従業員同士のコラボレーション(協働)を監視し評価できるようになることがほとんど認識されていない。
社内のさまざまな人と絶えずやりとりし、会議で発言をし、プロジェクトに貢献しているかどうかを、議事録やメール、チャットの中身を基にAIが分析する。アメリカのテック企業ばかりでなく、日本でもすでに取り入れられている。
――コロナ禍で在宅ワーク中のマウスの動きをチェックするという話がありました。
企業にとってはマウスを動かしているかどうかなんてどうでもいい。監視するのは労働時間ではない。どのような協働を行っているのかというコミュニケーションの中身だ。
なぜかといえば、連携と協働こそがイノベーションをもたらし、企業の競争力の源泉となるからだ。
日本の強みを徹底分析し、実践した
――アメリカは「ジョブ型」で個々の仕事の範囲が決まっているのではないのですか。
そのような「ジョブ型」はアメリカに存在しない。アメリカ企業が重視しているのは、ジョブとジョブのつなぎ目、つまり連携と協働をどう設計するかだ。
それは1980年代、日本の製造業に敗北し、アメリカの自動車メーカーや電機メーカーが次々と倒産する中で、日本はなぜ競争力が高いのかを徹底的に分析して取り入れたものだ。
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