最近、買い物袋が少し重く感じるようになった。階段を上がるたびに息が切れ、「そろそろ誰かの手を借りる時期なのかもしれない」と思う瞬間が増えた。
けれど、子どもに連絡しようとスマホを手に取ると、指が止まる。
「今さら頼ったら、迷惑だろうか」「嫌な顔をされるんじゃないか」そんな不安が先に立ち、結局、今日も連絡できなかった。
本当は、ただ少し話したいだけなのに。親である自分が、子どもとの距離の縮め方を見失ってしまっている。
60代・70代になると、心のどこかで「そろそろ介護のことを考えなければ」という思いが芽生えます。しかし同時に、「子どもと距離がある」「昔のことがしこりになっている」「頼りたいけれど、迷惑をかけたくない」そんな複雑な気持ちを抱える方は少なくありません。
子ども側もまた「親の老いが心配」「でも、昔の傷が癒えていない」「どう向き合えばいいのかわからない」と揺れています。
つまり、介護の問題は、実は関係の問題が表面化したものでもあるのです。
本記事では、長年の確執があっても、今から関係を整え直し、介護について話し合える状態に近づくためのコミュニケーションのヒントをお伝えします。
「介護の話」は関係の土台が整っていないと進まない
介護の話し合いがうまくいかない背景には、ほぼ必ず「感情の未整理」があります。
親が子どもに対して抱えてきた後悔、子どもが親に対して抱えてきた寂しさや怒り、互いに「わかってもらえなかった」という思いなど、これらが積み重なると、どんなに冷静に話し合おうとしても、言葉の裏にある感情が邪魔をしてしまいます。
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【「これからどう関わりたいか」を言葉にすることが大切】
