新入社員のAさんが初歩的なミスをした。上司のB課長は「これは基本中の基本だよ!」と言いたい。
しかし、以前別の若手から「言い方がきつい」と訴えられた経験があるため、喉まで出かかった言葉を飲み込む。
代わりに「まあ、大丈夫……かな。次は気をつけようか」と曖昧に済ませた。結果、B課長は、踏み込んだ指導を避け、曖昧な指示だけを出すようになった。
すると今度はAさんが「こんな職場では成長できない」と不満を抱き始め、ついには転職サイトを開いている。
厳しすぎると辞める、ゆるすぎても辞める
企業の人事担当者から、「厳しく指導するとすぐ辞めてしまう。しかし、ゆるく接しても辞めてしまう」という声を聞くことが増えています。
一見すると矛盾しているようですが、この「両極の離職リスク」は、Z世代の労働観と、上司側の指導萎縮という新しい課題が複雑に絡み合って生まれています。
Z世代は、理不尽な叱責や精神的圧力に対して非常に敏感です。背景には、SNSを通じて他社の働き方や価値観が常に可視化されていることがあります。
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【自分の尊厳を脅かす行為】
