窪田:確かに、バナナは果物の中では圧倒的に安いですね。
森田:1960年ごろまではグロスミチェルという品種が主流で、当時はもっと高価なものでした。しかしグロスミチェルの生産が病気の流行で落ち込むと、安くてそれなりにおいしいキャベンディッシュに取って代わられます。これがあまりにも成功したので、全世界のバナナがこの品種になってしまいました。でも本当は、バナナの品種は600種類ぐらいあると言われているんです。
窪田:そんなにあるのですか! それなのに、スーパーでは1種類しか売っていないなんて……。
島バナナのルーツをたどって……
森田:島バナナのルーツをたどると、マレーシア辺りを原産とする種が、反時計回りにフィリピンを経由して小笠原諸島まで行き、そこからまた海を渡って沖縄にたどりついた「小笠原種」であることが、最近になってわかってきました。
これは沖縄本島や周辺の島々、奄美諸島や小笠原諸島など、ある程度暖かいところでしか育ちません。小笠原を経て明治の中頃に持ち込まれてからずっと、沖縄の普通の家の庭に植えてあって、ほそぼそと栽培されてきました。それが今も現存している島バナナなのです。
ところが近年は「島バナナがおいしい」ということが知られてきて、需要に応えようと、小笠原種以外のバナナも栽培されるようになってきました。これによって、本来の島バナナが絶滅の危機に瀕していることに気が付きました。このままではいけないということで、先ほどお話しした高橋先生に教えていただき、島バナナを守る協会を立ち上げました。これが2022年のことです。
(構成:鈴木絢子)

