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とどのつまりは《息を吸っている。吐いている。その事実だけを観る》こと 脳の専門家が説く、負の感情の乗りこなし方

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抑えきれない「負の感情」をコントロールする方法を紹介します(写真:trickster*/PIXTA)
  • 菅原 道仁 脳神経外科医・菅原脳神経外科クリニック院長
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形のない不安は私たちを飲み込み、翻弄します。けれど輪郭を与えられた感情は、扱える対象へと変わっていく。傷ついた心をリセットし、感じる力を取り戻す、いわば「感情リブート」の第一歩は、深い分析ではなく、まず名前を授けることから始まるのです。

「自分はいま、かなり頭にきているな」と客観視する

感情に名前をつけるためには、もう1つ欠かせない力があります。それが、一歩引いて客観的に「観る力」です。

まず大切なのは、感情を「自分そのもの」と思い込まないことです。不安や怒り、あるいは落ち込みといった反応を、自分の人格の一部として捉えるのではなく、古い脳のプログラムから届いた1つの通知として眺めてみる。

このメタ認知の姿勢こそが、脳を再起動させる鍵になります。

感情に飲み込まれるのではなく、少し距離を取って見つめ直す。それは、自分がいま何を考え、何を感じているのかを、いわば幽体離脱するように一歩引いて観察する視点です。

激しい怒りの渦中にありながら、「自分はいま、かなり頭にきているな」と客観視できる。これにより、不安に飲み込まれそうな瞬間にも、「またいつもの思考パターンに入っている」と気づくことができます。

この「気づきの視点」が、たとえ細くても1本残っているだけで、感情と自分が完全に一体化してしまうのを防ぎ、冷静な自分を保てるようになります。

もちろん、湧き上がる感情そのものを瞬時に止めることはできません。しかし、感情に巻き込まれている最中に「いま自分は巻き込まれている」と自覚することはできます。このわずかな自覚が大事なのです。

感情にただ没入している状態と、それを観ている自分がかろうじて残っている状態とでは、その後の選択が大きく変わってくるからです。そして、このメタ認知を鍛える方法としてよく知られているのが、マインドフルネスです。

難しい修行のように聞こえるかもしれませんが、実際にやることは驚くほどシンプルです。静かに腰を下ろし、自分の呼吸の出入りをただ感じる。浮かんできた雑念や感情を、追いかけも否定もせず、「いま、ここにある」とだけ見つめる。それだけです。

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