5月半ばから初夏にかけては、漢方的には五臓の1つ、「心(しん)」のエネルギーが高まり、「腎」が消耗しやすくなる時期とされています。
生命力あふれるこの時期に、まわりと違って自分だけ調子が出ない、あるいは「何となく疲れがとれない」「イライラや焦りで、気持ちが落ち着かない」といったメンタルの症状が出ているとしたら、それはもしかしたら“心と腎の調整がうまくいっていない“せいかもしれません。
そこで本稿では、心と腎の状態をよくして、この時期を健やかに過ごすための「漢方の知恵」をお伝えします。ポイントは、「頑張ること」ではなく「消耗しないこと」です。
漢方の「腎」「心」とは?
漢方でいう「腎」とは、単に臓器の腎臓を指しているのではなく、生命力や成長、老化、ホルモン、水分代謝といった働きをつかさどる根本的なエネルギー源と考えられています。冬に蓄えたエネルギーは、春から夏にかけて消費されていきます。
この際にもっとも多くエネルギー消費を促しているのが、精神をつかさどる「心」です。心も腎と同様に、臓器の心臓を意味しているだけではなく、生命の司令塔として、メンタルや認知機能なども、その役割に含まれています。
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【春に回復力が落ちる理由は?】
