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違法だと分かっていながら、つい報酬につられ…《闇バイト》の勧誘の手に落ちてしまう若者が絶えない根本原因

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闇バイトへの関与を自己責任として断罪するだけでは、再発防止にはつながらない(写真:mits/PIXTA)
  • 戸谷 洋志 立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授
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たしかに犯罪行為に踏み切ったのは本人です。しかし、そこにはそうした選択をせざるを得ない事情も存在していたのかも知れません。同様の新たな加害者を生まないためには、こうした事情についても理解を深める必要があるのではないでしょうか。

闇バイトへの関与は個人の軽率さだけでは説明できない

闇バイトが広がっている現状は、倫理観の欠如だけでは十分に説明できません。

若年層や生活困窮者を中心に、安定した収入源を得にくい雇用環境が続くなかで、即金性の高い仕事が強い誘惑として作用する状況が生まれています。

奨学金返済や家計の逼迫など、目の前の資金不足に直面したとき、違法性の高い行為に飛びついてしまう人がいるのは事実です。もちろんそれは法的に許されることではありません。

しかし問題の本質は、このように追い詰められた状況が人間の判断力に悪影響を及ぼしている、ということです。加えて、闇バイトの勧誘は、違法性をぼかした表現や、段階的に関与を深めさせる仕組みを伴っていることが少なくありません。

最初は「荷物を運ぶだけ」「名義を貸すだけ」といった比較的軽微に見える依頼から始まり、途中から抜け出せなくするための強迫が始まります。こうした手口の前で、全ての人が常に合理的な判断を下せるとは限りません。

さらに、犯罪に関与した人の背後には、教育機会の格差や相談できる大人・支援の不足といった社会的条件も存在します。

違法な誘いに直面したときに、安心して助けを求められる窓口や、困窮を一時的にしのぐ公的支援にアクセスできるかどうかは、人によって大きく異なります。とくに、支援への経路が見えにくい社会では、闇バイトの罠にはまりかけてしまったとき、そこから脱出することは一層困難になります。

このような背景を踏まえると、闇バイトへの関与を自己責任として断罪するだけでは、再発防止にはつながりにくいと言えるでしょう。

違法行為に対する責任追及と並行して、なぜその選択が現実の選択肢として浮上してしまうのかを問い、困窮や孤立を緩和する制度に加え、相談や保護の仕組みを整えることが必要です。目先の報酬に釣られる状況そのものを生み出している環境に目を向けなければ、同じ問題は形を変えて繰り返されます。

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