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「お金さえ増えれば幸せになれる」は幻想…10兆円運用のファンドマネジャーが語る《幸せな投資》の3つの要諦とは

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数字を追い続ける投資は、どこかで限界を迎えるという(写真:Luce/PIXTA)
  • 新井 和宏 鎌倉投信株式会社 共同創業者(現・eumo代表取締役)
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その一方で、利益が見込めても、心から応援できない投資もあります。数字のうえでは順調でも、企業のあり方や事業の目的にどこか違和感を覚えることがある。社会の役に立っているように見えても、どこか誠実さに疑問を感じたりする場合です。

健全さに欠く企業に投資をすると、一時的に利益が出ても、心のどこかに小さな引っかかりが残ります。お金が増えても、うれしさよりもモヤモヤ感が勝り、「このお金の増え方は本当に自分が望んでいたものだろうか」と感じることもあるでしょう。

数字だけでなく、その企業の姿勢に目を向けることで、投資の意味はより深くなっていきます。「お金」「社会性」「心」の3本の柱が揃ってこそ、投資は人を幸せにします。そのバランスを欠くと、投資の本質を見失ってしまいます。

社会貢献を唯一の目的とするのは、投資とは呼べません。社会のために尽くしても利益がまったく上がらなければ、それは寄付と同じです。元本が減ってしまえば、投資を続けること自体が難しくなります。

社会が良くなり、自分の資産も増え、「投資してよかった」と感じられる。そんな投資先が確かに存在します。自分にも社会にも誠実な企業を選ぶことが、うまくいく投資の条件です。

投資がうまくいく3本の柱の考え方は「三方よし」の思想に近いものです。三方よしは、近江商人の経営哲学のひとつで、「売り手よし、買い手よし、世間よし」の3つの利益を重視する考え方です。

「自分」にも、「投資先」にも、「社会」にもメリットのある投資を実現できたとき、人は本当の意味で投資がうまくいったと言えるのだと思います。

投資は人生の方向を照らす力になる

私が出会ってきた投資家の中には、数字の裏にある「人の思い」や「社会の流れ」に目を向ける人たちがいます。

企業の活動を知り、その理念に共感して応援する。株価が下がっても、企業の成長を信じて見守る。そんな関わり方をしている人たちは、揺るぎない判断基準を持つようになります。

投資によって生き方そのものを変えた人もいます。個人投資家である沖雅之さんは、当初は資産形成のために投資を始めたといいます。

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