これまでにない「がん患者」研究
筆者は1974年から国立がんセンター(当時)に勤務し、再発乳がん患者の抗がん剤・ホルモン療法を担当しながら、がんの血液診断の研究を進めてきた。
1990年代後半、それまでの研究が一段落したころ、「がんという『病気の研究』には熱心だったが、『患者の研究』は十分ではなかった」という思いに駆られ、「がんの社会学」という研究を始めた(文献:4-4、4-5、4-6、4-7)。
「がんの社会学」とは、がん患者・家族が直面する苦痛・悩み・負担を明らかにし、それを和らげるための手法を、医療スタッフのみならず、さまざまな社会資源を用いて構築することを目的とするものである。
このような考えは、その後、がん対策基本法やがん対策推進基本計画で、「がんとの共生」という分野として広く具現化されている。
「がん患者の研究」の第一歩は、患者や家族の苦痛・悩み・負担を科学的に分析することであった。
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【がんと向き合った患者の声】
