週刊東洋経済 最新号を読む(5/23号)
東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資

「いつ大きな事故が起きてもおかしくない」奈良メガソーラー3度の土砂流出で住民がついに刑事告発

8分で読める
奈良県平群町のメガソーラー造成・建設現場(写真:平群のメガソーラーを考える会、2025年6月撮影)

INDEX

奈良県平群町(へぐりちょう)のメガソーラー建設現場で4月、土砂流出事故が起きた。この1年半の間で3度目。下流域の住民らは5月11日、森林法違反で刑事告発状を地元警察署に提出した。

調整池や水路など防災施設の整備を先行させるという林地開発の許可条件が守られないまま、造成・建設工事が行われていたとしている。罰則が新設された改正森林法(今年4月施行)に基づく告発は初めて。大雨のシーズンを前に、違法行為が明らかにされるのか。

3度目の土砂流出事故

このメガソーラーは、事業者の協栄ソーラーステーション合同会社(東京)が山林約48haを開発して建設中。元請け、下請け、孫請けの3社が造成、建設工事を進めてきた。この春から太陽光パネルの設置にかかり、完成すれば出力約2万kWの発電所となる。

町道にあふれ出した泥水(写真:須藤啓二さん撮影)

4月10日午後3時ころ、雨が強まったため、心配になった平群町議会議員で平群のメガソーラーを考える会の代表世話人、須藤啓二さんが駆け付けたところ、工事現場脇の町道に土砂があふれ出していた。工事現場の作業員が散水車を出して土砂を道路の側溝に流し込む作業を急いでいた。

須藤さんは工事関係者に対し、警察署、平群町など関係機関への通報を指示。午後4時半ころ、西和警察署のパトカーが到着。雨が小降りになる中、合板を使った土砂流出のせき止めが行われた。

須藤さんは下水道の水処理施設の設計・施工を行う会社を経営する一級土木施工管理技士で、水路や調整池などの構造に詳しい。工事関係者の話から、この土砂流出の原因は、「3号調整池」周辺の水路の一部が上部の盛土のり面から崩落した土砂で埋まったため、道をふさがれた泥水が反対方向に流れ出し、脆弱な仮締切を突き破って道路上に流れ出したもの、とみている。

次ページが続きます:
【平群町長が事業者に出した怒りの文書】

2/5 PAGES
3/5 PAGES
4/5 PAGES
5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象