3回の土砂流出時の降雨量は、1時間に20〜30ミリ(2024年11月)、同20ミリ(2025年5月)、同22ミリ(2026年4月)と、「これまで経験したことがないような雨」のレベルには至っていない。その程度の雨で盛り土が崩落した原因について専門家は、湧き水や渓流の水抜き対策が十分ではなく、盛土の中にみず道が残されたままになっている可能性を指摘している。
京都大学などの研究者らによる「国土問題研究会」の「平群町太陽光発電問題調査団」は、「谷埋め盛土が行われた区域については盛り土を開削し、盛り土層の下に暗渠排水管を設置して、排水を安全に調整池に導く必要がある」との意見書をまとめ、県に提出した。
11日に開かれた記者会見で、造成・建設現場からわずか800mのところに住む多田恵一さんは「非常に歯がゆい思いをしています。この工事がどんどんこのまま進んでいけば、熱海の土砂災害みたいな災害が起こるんではないか、と心配しています。地中に浸透してたまった水が(盛り土の)横から噴き出してくる。地中の水を排出する設備そのものができていない、あるいはできていても機能していない、そういう工事が進められているんです」と訴えた。
今年4月施行の森林法改正の焦点
全国のメガソーラー開発をめぐり、林地開発許可制度のあり方への批判が高まる中、政府は制度の実効性を強める措置を取った。その1つが2025年5月の森林法改正。今年4月1日に施行された。
改正の"目玉"が、都道府県が林地開発許可を下ろす際につける「許可条件」への違反について、新たに「罰則規定」を設けた点。3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が科される。行政処分(中止命令、復旧命令などの命令のこと)という手続きを経ずに罰則を適用できることから、「直罰」とも呼ばれる。
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【奈良県が行った林地開発許可は正しかったのか】
