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「小学校受験の時は学校の取り組みなどを徹底的に調べ、学校選びをしました。でも、実際に入ってみると、何よりも濃密な人脈を得られたことが息子にとっても親にとっても大きな財産です」
慶應義塾幼稚舎に息子を通わせる、ある共働き家庭の母親はそう振り返る。中学受験の過熱を避けたいという、ある意味で実利的な判断で小学校受験という選択肢を選んだ。
しかし入学後に待っていたのは、「中学受験回避」という言葉からは想像もつかない、濃密な人間関係の世界だった。
近年、特に首都圏においては、小学校受験はかつてのような"特別な家庭のもの"ではなくなりつつある。そして合格後、多くの保護者が口を揃えて言うのが、「このつながりはかけがえのないもの」という言葉なのだ。
慶應義塾幼稚舎、「クラス替えなし」が生む家族のような6年間
最も濃密なコミュニティが語られる学校の1つが、慶應義塾幼稚舎である。6年間クラス替えがなく、36人の同級生と1人の担任が卒業まで変わらない。
冒頭の母親も、入学前は不安を抱えていたという。「代々のご家庭ばかりで、普通のサラリーマン家庭はなじめないのではないか。事前にいろいろなうわさも聞いていたので、入学が近づくにつれて不安が膨らんでいきました」。
しかし、その不安は杞憂だった。
「たしかに、そうそうたる家庭は多いです。でもそういう方たちも分け隔てなく接してくれます。例えば夏休み。うちは共働き家庭なので学童に毎日行くことになるかと思っていましたが、実際に学童に行った日は半分もなくて。子どもは毎日のように広尾に出かけていました。
有栖川公園で遊んだり、どこかに遠出するときもいったん有栖川公園集合で、ついていける親がまとめて連れて行ってくれるんです。別荘に連れて行ってもらったりもしました。
私は仕事でいけないのですが、子どもだけでも当たり前のように連れて行ってくれます。ここまで濃密なつながりになるとは思ってもいませんでした」
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【「良いことばかりではない」…逃げられない関係の重み】
