藤元:『僕の帰る場所』は14年冬に撮影しましたが、難民認定制度のほか、外国人の子どもの教育や母国への帰還と再適応などがテーマになっています。
技能実習生として来日した女性たちが妊娠した場合、働き続けるために中絶を選ぶか、帰国するかの選択を迫られなくてはなりません。
その頃、運営していたミャンマー語で日本の生活情報を発信するFacebookページに、技能実習生からのヘルプメッセージが届くこともありました。妊娠が分かって退職を余儀なくされた場合、次の職場が決まらなければ帰国するしかない。でも、何らかの事情で借金があり、オーバーステイしても捕まるまでは稼ぎ切ろうという人たちもいる。そういうやるせない実情を基に作ったのが『海辺の彼女たち』です。
“製作費1億円以上”を調達できた理由
――総製作費は1億円を超えると聞きました。
渡邉一孝さん(以下、渡邉):
助成金と補助金、自己資金、そして支援者からの出資を組み合わせ、日本・フランス・マレーシア・ドイツの会社が出資した国際共同製作になっています。
助成金と補助金は、プロセスを複数のフェーズに分け、それぞれの段階で申請を重ねていくという方法を取りました。
最初はVIPO(特定非営利活動法人映像産業振興機構)が運営する海外向け営業やティザー映像(短い紹介映像)などを作るところまでをサポートする企画開発支援の補助金を活用しました。

