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「若者を強制的に徴兵し人間の盾疑惑も」ベネチア3冠の映画が描く"世界で最も迫害されている民族"の過酷な現実

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火事
(写真:映画『LOST LAND/ロストランド』公式より)
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藤元:べネチア国際映画祭に来ていたヨーロッパの観客は、たとえロヒンギャについて詳しく知らなくても、自分たちの身近で暮らす難民の姿と重ね合わせながら、登場人物に共感を寄せてくれていました。「何らかの事情で難民になった人が身近にいる」という土台があった上での共感があります。

日本の観客には、劇中で描かれている世界は、自分とは遠い場所にある、遠い存在として捉えていた人も多いのかもしれません。でも、この映画を見てロヒンギャ難民に興味を持ち、調べ始めたという感想もいただいています。映画をきっかけに距離が近づいているのではないでしょうか。

(写真:映画『LOST LAND/ロストランド』公式より)

――難民キャンプにも行ったと聞きました。

藤元:難民キャンプの取材は協力者を通してリモートで行っていましたが、今回初めて行ってみて、言葉を失いました。多くの人々が行き場がありません。

ロヒンギャの人たちはミャンマー政府に不法移民扱いされ、市民権もなく、教育を受けることができません。難民キャンプの中に初等教育があるぐらいです。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)が高等教育の施設を作りましたが、まだそこに通うのは数十人です。

また、バングラデシュ政府はロヒンギャの定住を防ぐため、支援をする国連に対してもレンガやコンクリートなどを用いた恒久的な建物の建設を禁じており、ロヒンギャ難民は竹と防水シートだけで作られた仮設シェルターに住んでいます。

そして、防火対策のされていない住居が極度に密集しているため、調理用の火の不始末などちょっとした火元がきっかけになって、一度に数千人が住居を失うような大規模な火災が発生しています。

難民キャンプを訪れた河合優実さん(写真:映画『LOST LAND/ロストランド』公式より)

キャンプ内は食料品や医療、相談所や女性の休息スペースなどがありますが、115万人もいるので支援体制が十分とは言えません。

特に、食料は足りていないと言っていいと思います。トランプ政権になってから、国連への支援金が大幅に削減されましたが、その余波で難民キャンプの食糧支援額は、一時期は月額12ドルが6ドルになりました。

そのことで、食料は、鶏肉または魚、野菜・芋、豆類、果物や牛乳などが消え、米、レンズ豆、塩など最低限のものになったそうです。十分な栄養が摂れないため、急性栄養失調に陥る子どもが増加しており、発育阻害も懸念されています。

ミャンマー人家族、ベトナム人技能実習生描いた過去作

――日本に住む難民申請中のミャンマー人家族を描いた『僕の帰る場所』(18)、ベトナム人技能実習生を描いた『海辺の彼女たち』(20)に続く3作目が今作ですね。

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