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実在するロヒンギャ難民の姉弟が出演する映画『LOST LAND』。ベネチア国際映画祭でオリゾンティ部門審査員特別賞など3つの賞を受賞し話題を呼んでいます。バングラデシュ・タイ・マレーシアなど数カ国で撮影を実施した本作。激動する世界情勢において移民問題がクローズアップされる今、どのようにしてこの作品が生まれたのか。脚本・監督の藤元明緒さん、プロデューサーの渡邉一孝さんに話を聞きました。
世界で最も迫害されている民族
――今作はどのようにして構想したのでしょうか?
藤元明緒監督(以下、藤元):今作の主役であるロヒンギャ難民とは、主にミャンマー西部のラカイン州に居住していたイスラム教徒の少数民族であり、ミャンマー政府から不法移民とみなされて国籍を剥奪され、長年にわたり無国籍状態に置かれてきました。
ミャンマー国軍による村の焼き討ちや組織的な性暴力も含む大虐殺事件が発生し、焼き討ちや虐殺から逃れるため、国連の発表では、118万人以上が隣国バングラデシュに避難しています。
大虐殺が発生したときは、仕事でミャンマーにいましたが、ずっと気になっていながらも横目で見ていました。仕事の機会を失うことも怖かったですし、ミャンマー国内でタブー視されている彼らについて、自分から言及しづらい面がありました。
一方、21年2月にミャンマー国軍が前年の選挙で圧勝した国民民主連盟のウィンミン大統領や同党の顧問のアウンサンスーチー氏を拘束し、非常事態宣言を出す軍事クーデターが起きたときには様々な支援活動を行いました。
そのときに、17年のロヒンギャの大虐殺のときには沈黙してしまったというダブルスタンダードを自覚しました。そしてそのことで映画監督として負い目を感じたというか……。
そこで、映画を通してロヒンギャの人々とつながりたい、この題材を撮っておかないと後悔すると思い、取り組み始めました。

