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なぜ現代の若者は忖度しない?ここまで合理的な"無敵世代"が生まれた背景、学校ではどんな力を育むべきか…

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イヤホンをして歩く大学生
周囲との調和やバランスを取る上の世代から見ると現代の若者は「無敵」に映ることも(写真:mits / PIXTA)
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「人は人、自分は自分」という感覚がある。だから必要以上に自分の気持ちを表に出さないし、そもそも人の気持ちというものに介入しない、されない。「感情労働」といった言葉があるくらい上の世代は気持ちの一体感を大事にしますから、この点でのギャップは大きいかもしれませんね。

金間大介(かなま だいすけ)金沢大学融合研究域教授、北海道医療大学客員教授/横浜国立大学大学院工学研究科物理情報工学専攻(博士(工学))、バージニア工科大学大学院、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、文部科学省科学技術・学術政策研究所、北海道情報大学准教授、東京農業大学准教授等を経て、2021年より現職。専門はイノベーション論、マーケティング論、モチベーション論など。若手人材や価値づくり人材の育成研究に精力を注ぐ。大手企業のほか、医療機関や社会福祉法人との連携も多数。主な著書に『無敵化する若者たち』『先生、どうか皆の前でほめないで下さい――いい子症候群の若者たち』(東洋経済新報社)、『静かに退職する若者たち』(PHP研究所)、『ライバルはいるか?』(ダイヤモンド社)など。一般社団法人WE AT副代表理事、一般社団法人日本知財学会理事も務める(写真:尾形文繁撮影)

「無敵」な世代が生まれた背景

——なぜ、これほどまでに合理的で周囲に左右されない「無敵」な世代が生まれたのでしょうか。

まず、「無敵」といっても本当に強いわけではなく、むしろ心身ともに今の若者は弱くなってきたと指摘する人もいるくらいです。

ただ、そんなときはいつも上の世代の人が先んじて手当てしてくれますし、黙っていれば正解を教えてくれる。そんな様子から、僕が「なんて今の若者って無敵なの」と皮肉っている状態ですね。決して若者たち自身がこの状態を望んだわけではありません。

その背景には何があるのかというと、生産年齢人口の減少といった社会・経済環境の変化もありますが、最大の要因は彼らの親世代にあると考えています。

今の20代前半の親は平均すると50代前半になります。彼らはバブル崩壊後の「失われた35年」を社会人として生き抜き、リストラやフリーターの増加といったニュースを見聞きしながら子育てをしてきました。

上の世代から「お前の代わりはいくらでもいる」と厳しい扱いを受け、人口が多いがゆえの競争の中で我慢を強いられ、「組織からこぼれ落ちたら二度と戻れない」という強い危機感を抱いてきた世代です。

苦労はあっても報われることの少なかった親が、子どもには同じ思いをさせたくないと考えるのは自然なことです。わが子を失敗から遠ざけ、子どもが迷わないよう事前に正解を教え、先回りして障害を取り除いて徹底的に守ろうとする、それこそ親の愛情でしょう。

今の若者たちは大人たちからの「我慢しなくていい」「無理はしなくていい」という教えを忠実に守っているに過ぎません。だからこそ、先生や上司に嫌われても「自分は自分。周囲と合わなくてもしょうがない」「みんなに好かれる必要はない」と割り切れます。

誰かが悪かったわけではなく、みんながよかれと思ってやってきた結果、リスクを取らず、慎重で安定志向の無敵な世代が誕生したのです。

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