「うちは人を大切にしている会社です」
経営者や人事担当者から、この言葉を聞くことは珍しくありません。たしかに、それ自体は悪いことではありません。
ですが、この言葉が危ういのは、何を意味しているのかが曖昧なまま使われやすいところです。
「大切にする」とは、何を意味するのか。
「誰に対して」「どのように」「何のために」大切にするのか。
この問いが曖昧なままだと、「何かはやっているが、目的が曖昧な施策」が積み上がっていきます。
「大切にする」が目的になると危ない
人を大切にすること自体が目的化すると、企業の中で起きるのは「手段と目的の逆転」です。
本来、人材施策は経営のためにあります。事業を伸ばし、組織能力を高め、企業価値を向上させるために、採用、育成、配置、評価、報酬の仕組みがあるはずです。
ところが、「人を大切にすること」が目的になると、施策は経営から切り離されます。
こうなると、施策は「やっていること」自体がゴールになりがちです。
現場は忙しくなるのに、組織としては強くならない。むしろ、社員の能力は十分に活かされないまま、日々の業務の中で消耗していきます。
制度が足りないわけでも、やさしさが足りないわけでもありません。
にもかかわらず、企業は強くならないのです。
では、こうした会社は何が足りないのでしょうか?



















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