《週休3日》なぜ広がらない?「導入したら仕事が回らない」という企業が抱える本当のリスク
生産性は維持できるのか。顧客対応に支障は出ないのか。社員間の公平性はどう保つのか。こうした不安が意思決定を止めている(写真:years/PIXTA)
日本の企業はいま、「給与で人を集める時代」の終わりに直面している。
人手不足は深刻化し、賃金の上昇圧力も強まっている。単純な賃上げ競争だけで人材を確保することは、ますます難しくなっている。
そのなかで、企業の働き方に新しい試みが生まれている。「親子出勤」「週休3日正社員」「昇進条件は有休取得率」。給与だけでなく、“人生の自由度”という価値を設計することで人材を惹きつけようとする動きだ。しかし、現場の経営者の本音はこうだ。
「週休3日? 正直、考えられないし、まだ怖い」
生産性は維持できるのか。顧客対応に支障は出ないのか。社員間の公平性はどう保つのか。こうした不安が意思決定を止めている。だが、本当の問題は「週休3日」という制度そのものではない。企業が問われているのは、時間を減らしても成果が出る会社になっているか、つまり「時間に依存した経営」から脱却できているかである。
本稿では、企業が直面している現実を整理しながら、この課題に向き合うための現実的なアプローチを『社長が3ヶ月不在でも成長する会社の作り方』の著者である安東邦彦氏が考察する。
多くの企業は「給与競争」で敗北し始めている
日本の企業を取り巻く人材環境は、ここ数年で大きく変わった。人手不足は慢性化し、賃上げの圧力は年々強まっている。
もちろん賃金を上げること自体は重要だ。しかし現実には、すべての企業が同じ水準で賃上げ競争に参加できるわけではない。資本力や収益構造に差がある以上、大企業と同じ土俵で「給与」で人材を奪い合えば、後発の企業ほど不利になる。実際、採用の現場ではこうした声を耳にすることが増えた。
「給与ではもう勝てない」
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