「研修や制度は立派なのに…」「社員にやさしいだけの会社」が伸び悩む深い訳

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

人的資本経営において重要なのは、「大切にする」ことではありません。「価値を生む形で活かす」ことです。

どの事業で勝つのか。そのために、どの能力が必要なのか。現状とのギャップはどこにあるのか。

この問いが曖昧なままでは、採用も育成も配置も評価も、結局はバラバラの施策になってしまいます。

逆に、この問いに対する「経営の姿勢」が明確であれば、「採用でどんな人を迎えるのか」「育成で何を伸ばすのか」「配置で誰をどこに置くのか」「評価と報酬で何を促すのか」を、一貫した戦略として設計できます。

制度を作ったうえで、「挑戦が増えるのか」「連携が進むのか」「管理職のふるまいが変わるのか」まで、現場の行動がどう変わるのかきちんと見る。そうすることで「人への投資」は事業の成果に結びつき、企業価値につながるのです。

「人を守ること」と「人を活かすこと」は異なる

ここで、誤解してほしくないことがあります。

私は、「人を大切にすること」が不要だと言いたいわけではありません。そうではなく、それが「やさしさ」や「配慮」の文脈だけで語られると、企業は強くなれないと言いたいのです。

企業が目指すべきなのは、「たんに人にやさしい会社」であることではありません。「強い会社」であることです。

その強さとは、人材の能力を最大限に引き出し、それを競争力に変えられるかどうかにかかっています。

「人材を守ること」と「人材を活かすこと」は、似ているようで本質的に異なります

「人材を守ること」だけでは、組織は停滞します。「人材を活かすこと」があって初めて、成長が生まれる――私は「人的資本経営の専門家」として、そう確信しています。

田中 弦 Unipos株式会社代表取締役会長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

たなか・ゆづる / Yuzuru Tanaka

Unipos株式会社代表取締役会長。
1976年生まれ、北海道出身。1999年ソフトバンクのインターネット部門採用第1期生としてインターネット産業黎明期を経験。その後ネットイヤーグループ、コーポレイトディレクションを経て、2005年ネットエイジグループ(現ユナイテッド)執行役員。
現在は、国内外5000社以上の人的資本開示を読み込んだ「人的資本経営専門家」としても活動。
Unipos株式会社の前身であるFringe81株式会社(2017年東証マザーズ上場)の創業者であり、上場企業経営者として自社の人的資本経営に取り組んでいる。経営者としての実体験や、多数のクライアント事例、膨大な開示事例から導き出した、経営戦略と人事戦略を紐づけるための「人的資本経営フレームワーク(田中弦モデル)」を考案。
「10年後に日本は変わった、とみんなで乾杯しましょう」を合言葉に、精力的に日本企業の変革を推進する。
著書に『心理的安全性を高めるリーダーの声かけベスト100』(ダイヤモンド社)がある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事