人的資本経営において重要なのは、「大切にする」ことではありません。「価値を生む形で活かす」ことです。
どの事業で勝つのか。そのために、どの能力が必要なのか。現状とのギャップはどこにあるのか。
この問いが曖昧なままでは、採用も育成も配置も評価も、結局はバラバラの施策になってしまいます。
逆に、この問いに対する「経営の姿勢」が明確であれば、「採用でどんな人を迎えるのか」「育成で何を伸ばすのか」「配置で誰をどこに置くのか」「評価と報酬で何を促すのか」を、一貫した戦略として設計できます。
制度を作ったうえで、「挑戦が増えるのか」「連携が進むのか」「管理職のふるまいが変わるのか」まで、現場の行動がどう変わるのかきちんと見る。そうすることで「人への投資」は事業の成果に結びつき、企業価値につながるのです。
「人を守ること」と「人を活かすこと」は異なる
ここで、誤解してほしくないことがあります。
私は、「人を大切にすること」が不要だと言いたいわけではありません。そうではなく、それが「やさしさ」や「配慮」の文脈だけで語られると、企業は強くなれないと言いたいのです。
企業が目指すべきなのは、「たんに人にやさしい会社」であることではありません。「強い会社」であることです。
その強さとは、人材の能力を最大限に引き出し、それを競争力に変えられるかどうかにかかっています。
「人材を守ること」と「人材を活かすこと」は、似ているようで本質的に異なります。
「人材を守ること」だけでは、組織は停滞します。「人材を活かすこと」があって初めて、成長が生まれる――私は「人的資本経営の専門家」として、そう確信しています。
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