顔を出し、声を枯らしてあらがった福島原発事故の自主避難者たち。初心を貫いた誇りと、今も続く心の葛藤。それぞれの15年と今
長谷川克己さん(59)の姿が私の脳裏に深く刻まれたのは、2015年6月9日に参議院議員会館で開かれた集会でのスピーチだった。テーマは自主避難者に対する住宅供与の打ち切りで、長谷川さんは自主避難者の〝代表〟として登壇した。
福島復興の掛け声と自主避難者
「国は住宅支援の終了に向けて動き始めました。私もいつまでもすがっていたいとは思いません。ただ、幕引きの仕方には言いたいことがある。この4年間の政策は人道的立場とはかけ離れたものと感じています。国は私たち自主避難者を頭のおかしい、危険な人間と考えているのでしょうか? 『そうではない』と言うなら開かれた場で意見を聴いてほしい。父親として我が子に胸を張りたいのです」
この頃、「がんばろう、福島」「福島復興」の勇ましい声が飛び交う一方で、福島を離れた自主避難者に対して、SNSなどで「裏切者」「福島を貶めた」といった言葉の石つぶてが投げつけられていた。
同じ頃、復興庁が各地で開いていた県外自主避難者向けの説明会の中に、「心が元気になるために」と題した著名な精神科医の講演が含まれており、彼らを「不安で心を病んだ人」として扱っているのが見て取れた。長谷川さんの理性的なスピーチを聞き、私は「彼のどこが頭のおかしい人だというのか」と怒りで心が震えた。





















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