東急「異彩作家のアートな電車」はなぜ生まれたか 沿線風景描いた作品をラッピング、起用の狙い
その電車がホームに入ってくると、小さい子供たちが歓声を上げる。青を基調とした車体が澄み切った空に映える。
車体に描かれているのは子供が好きな人気キャラクターではない。渋谷のファッションビル「SHIBUYA109」、田園調布の小さな旧駅舎、多摩川の河川敷散歩道といった沿線の風景や家族連れの姿がデフォルメされたアート作品である。細部まで幾何学的に描き込まれた部分と、大胆に省略された部分が同居する。鮮やかな色使いで温かみのあるデザインが子供の共感を呼ぶ。
「ヘラルボニー」と手を組む
東急電鉄が岩手県盛岡市に本社を構えるヘラルボニーと共創してラッピング電車を仕立てた。2025年11月から東横線と田園都市線で1編成ずつ運行している。ヘラルボニーは主に知的障害のある作家とライセンス契約を結び、シャツやバッグのような商品を作るなどして、収益化することを目指す。車両に掲出されたアート作品は同社の契約作家である中島敏也氏の手によるものだ。
なぜこの電車が生まれたのか。その答えを知る前に、まず、ヘラルボニーの成り立ちを理解しておく必要がある。




















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