東急「異彩作家のアートな電車」はなぜ生まれたか 沿線風景描いた作品をラッピング、起用の狙い

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「異彩を、放て。」これはヘラルボニーのミッションである。知的障害という言葉の中には、豊かな感性、繊細な手先、大胆な発想といった無数の個性、すなわち「異彩」がある。ヘラルボニーはこうした「異彩」を、さまざまな形で社会に発信し、障害に対する認識を変えることを目指し、2018年に創業した。作家の意思を尊重しながらプロジェクトを進行し、作家に正当なロイヤルティーを支払う仕組みを構築する。単なる障害者支援とは異なる。

ちなみに海外の高級ブランドのような響きを持つヘラルボニーという社名だが、同社の共同代表を務める松田崇弥氏、松田文登氏の兄の言葉に由来する。両氏の重度の知的障害を伴う自閉症がある兄が小学生の頃に書いていた自由帳に「ヘラルボニー」という謎の言葉が繰り返し書かれており、兄に聞いてみても「わからない」という返事しか返ってこなかったが、妙に頭の中から離れず、社名にしたのだという。

2024年にはフランス・パリにも進出。現在、国内外で約300人の知的障害のある作家とライセンス契約を結び、2000点以上のアートデータを管理し、さまざまなビジネス展開を行っている。

JRやことでんでもラッピング車両

ヘラルボニーは丸井、JAL、JR東日本、東京建物など企業とのコラボレーションにも積極的だ。JR東日本とは2020〜21年に釜石線にアートラッピング列車を走らせたほか、JR東日本スタートアップが同社に出資を行っている。2025年12月には高松琴平電気鉄道と協業してアートラッピング電車の運行が始まった。

東急グループとの関係では、2019年に東急不動産が渋谷区桜丘地区再開発事業の工事現場の仮囲いをヘラルボニーのアートで飾ったほか、2020年には東急が渋谷、原宿、六本木などの空き不動産約40カ所の壁面にアート作品を掲出したほか、東急百貨店本店でポップアップストアを出店している。

東急 ヘラルボニー ラッピング電車
沿線風景などを描いたラッピングデザイン(撮影:尾形文繁)
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