「刑務所に閉じ込めておけ」の声に疑問…前代未聞の凶悪犯罪《女子高校生コンクリート詰め殺人事件》加害少年の"その後"を追い続けてきたワケ

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──山﨑さんは大学卒業後に番組制作に携わるようになり、ドキュメンタリーを撮り続ける中で、この事件をテーマに取り上げたいと思っていましたか。

それもありませんでした。被害者の実名がインターネット上にさらされていることも知りませんでした。取材を始めた2000年ごろは、西鉄バスジャック事件や、17歳の男子高校生が「人を殺してみたかった」と主婦を刺殺する事件など、少年事件が相次いでいました。

『ニュースステーション』のディレクターとして、なぜ少年犯罪が多発しているのかを取材する中で、ネット上に真偽不明の加害者情報があることを同僚から教えられたのです。当時のテレビ制作の現場には、いまで言うタイパやコスパにとらわれず挑戦できる余裕がありました。どれほど大変かもわからないまま、彼らが何をして、どう生きているのかを知りたいと思ったんです。

──ネット上には「加害者は反省もなくのうのうと生きている」といった非難の声も多く見られました。山﨑さん自身に処罰感情はありましたか。

そうした感情はほとんどありませんでした。テレビマンとして、何でも見てやろうという気持ちのほうが強かった。それまでも「金嬉老事件」の金嬉老へのインタビューや、自己啓発団体「ライフスペース」代表、霊感商法で知られた宗教団体の「法の華三法行」など、世間から強い批判を浴びる相手を取材してきました。

罵声を浴びせられている人の実像を知りたいという気持ちが、加害者を許せないという感情よりも上回っていました。

少年刑務所での日々は、更生につながらなかった

──最初に接触したのは主犯格ではなく、性暴力に加担して少年院送致となった元少年Fでした。結婚して子どももいる彼と実際に会って、どのような印象を受けましたか。

Fは建設関係の仕事をしているためか、見た目はいかつい印象でしたが、話してみると非常に真面目でした。私が事件を知る記者だとわかっていたからか、饒舌で、言葉があふれ出てくるようでした。法的な処分を終えて、家庭を持つ彼を取材することに逡巡もありましたが、「妻の同意を得たので話をしてもいい」と言ってくれたんです。

──Fは強姦容疑で逮捕されましたが、死の原因となる暴力には関わっていなかった。そのため少年院に送致されるわけですが、そこでの教育は、Fの反省につながったのでしょうか。

そう思います。刑罰を科す刑務所と、改善更生と社会復帰を目的とする少年院では、そもそも役割が異なります。有明高原寮は鉄格子がなく、被害者と加害者双方の立場となって手紙を書く「ロールレタリング」など、独自のプログラムも多い施設です。

Fは半年で仮退院しました。たしかに凶悪な事件に加担していましたが、心までは破壊されてなかった。彼にとって、有明高原寮の教育が、効果的に作用した面があったのではないかと思います。

──Fは関与の度合いが比較的薄いとはいえ、性暴力に加担し、被害者が逃げないように部屋のドアを開けることもしませんでした。ただ、上下関係の強い不良仲間の共同体には、逆らえない同調圧力があったのかもしれません。彼は現在は更生しているかもしれませんが、主犯格の4人のうち3人は、少年刑務所を出所後に再び刑事事件を起こしています。それを知ったとき、何を思いましたか。

反省していないから再犯する、というのはあまりにもわかりやすすぎる説明だと思います。ただ、それが被害者や遺族にとって、どれほどいたたまれないことかも理解できます。私自身もショックと同時に、怒りを覚えました。

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