まるで天からの贈り物…男が育てたカリフラワーの末路。いとうせいこうさんの「サラダにして食う夢」を奪った"粒々"の正体

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カリフラワー
ついえたカリフラワーのサラダの夢(写真:花咲かずなり/PIXTA)
ベランダ園芸歴25年のいとう家では、昨今の気候変動もあいまって、ベランダ園芸から室内園芸にシフトしつつある日々。
多少の採光があると気づけば鉢を置き、リビングルームに組み立て式ビニールハウスを鎮座させ、壁にはエアプランツをぶら下げる。
挙げ句の果てに自分に胡蝶蘭を贈るという前代未聞の行為にまで……。
『ボタニカル・ライフ』から25年、『自己流園芸ベランダ派』から12年、ベランダ園芸家改め室内園芸家によるドラマティックな植物生活の記録『日日是植物』より一部抜粋・編集してお届けします。

妻に相談せずベランダに…

西側ベランダ作戦(2024年2月)

終の住み処と決めて生活を送っている深川本所方面のマンションには、かなり幅の狭いベランダが長く西と南に延びているのだが外側はコンクリの壁だから日射しが限られている。

かといって半透明でも柵でも夏の太陽光がきつくて無理だ。したがって、俺はうまく漏れ差し込んでくる太陽をかすかなたよりに、様々な鉢植えをよりよく組み合わせて人生を全うする他ない。

しかも二方面に向く狭いベランダのうち、「西側には鉢を置かないでほしい」というのが同居人の要求だ。「今回こそ自由に洗濯を干してみたい」と言う(これまで日々、必死に土や蔓をよけて衣服を乾かしていたのだそうだ)。

「そのかわり南はすべて明け渡すから」と大胆な条件を出されて、俺としては断るわけにもいかなかったのである。

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