「親よりポトスか」植物好き幼子に父が抱いた畏敬。還暦前に親になったいとうせいこうさんが"ベビーカーからの目線"で知る季節

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ポトス
親よりポトス、などということわざがあったろうか(写真:kai/PIXTA)
ベランダ園芸歴25年のいとう家では、昨今の気候変動もあいまって、ベランダ園芸から室内園芸にシフトしつつある日々。
多少の採光があると気づけば鉢を置き、リビングルームに組み立て式ビニールハウスを鎮座させ、壁にはエアプランツをぶら下げる。
挙げ句の果てに自分に胡蝶蘭を贈るという前代未聞の行為にまで……。
『ボタニカル・ライフ』から25年、『自己流園芸ベランダ派』から12年、ベランダ園芸家改め室内園芸家によるドラマティックな植物生活の記録『日日是植物』より一部抜粋・編集してお届けします。

観葉植物に嫉妬

ポトス大好きベイビー(2021年7月)

俺はもういい年齢なのだが、不妊治療を経て今年新しい命を授かった。それで現在、仕事のペースを出来るだけ子供中心にして生活している。

とはいえこうして植物エッセイは書いているわけだし、好きなことをやめてしまったわけではない。

フリーランスとしての育児休暇は「なんなら休暇も柔軟に休止」がモットーで、自分が子供の世話をしないでも済む時間にはせっせと仕事をするし、妻に「この日はよろしく」と言われればまったくスケジュールを入れずに家事にいそしむ。

そういう毎日を過ごすうち、はやくも子供は5カ月になった。

早産だったから実質は4カ月の体という考え方も並行させつつ、しかしなんにせよ世に出てきた年月で数えれば5カ月。生まれた途端に二重のアイデンティティがあるという曖昧な感じは、何が本職かわからないと言われやすい俺とあまり変わらない。

で、その小さい奴がある時期、2カ月ほど部屋の壁に這ったポトスばかりをなぜかじっと見たのである。

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