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正論で論破する人は「真のリーダーになれない」 立場が上がっても藤田晋が守り続ける、人を動かすための"苦行"

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  • 藤田 晋 サイバーエージェント代表取締役会長/新経済連盟副代表理事

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「人を動かす」ためには辛抱強く相手の話に耳を傾ける必要がある。わかってはいても、そんな忍耐力のある人は多くはない(写真:編集部撮影)
「相手の間違いを指摘し、正論でねじ伏せれば、さぞかしスッキリするだろう」。そう語るサイバーエージェントの藤田晋社長ですが、実際にはその正反対の道を歩んできました。大学生の頃に知った「オセロのコツ」と名著『人を動かす』の教え。本稿では『勝負眼 「押し引き」を見極める思考と技術』より一部抜粋のうえ、あえて相手に主導権を渡し、自分は忍耐強く聞き役に徹するというリーダーシップの本質に迫ります。

自分はほとんど喋らなくてもいい

子供の頃、親戚のお兄ちゃんにオセロのコツを教えてもらった。「終盤まではできるだけ相手に取らせること」。たったそれだけ知っただけで、面白いように勝てるようになった。

対戦相手がコツを知らないプレイヤーに限られるけど、序盤から中盤にかけては、相手にどんどん取らせて優勢だと思わせておけばいい。終盤になると、相手は盤上が自分の色ばかりになって置く場所がなくなる。すると、そこから、あれよあれよという間に全部ひっくり返すことができるのだ。オセロは途中で取りすぎると最後に大逆転されるゲームだった。

小さな広告代理店で営業のアルバイトをしていた大学生の頃、上司から勧められ、デール・カーネギー著『人を動かす』を読んだ。この本を読んだ時、オセロのコツを習った時と同じ感覚を味わった。

私は口下手とまではいかなくても、喋るのが得意な訳ではない。それでも初めて営業の仕事に挑戦し、客前で流暢に話せないことに悩んでいた。それが理由でなかなか仕事が決まらないと思い込んでいた。

先輩の中には弾丸のように言葉を並べ、押しの一手でたくさん受注してくる人もいる。自分も喋りを磨きたいけど上達する気がしない。この仕事は向いてないのかも、そう気後れしていた矢先に読んだこの本には、目から鱗の言葉の数々が並んでいた。

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