膨張と縮小を繰り返し、やがて【宇宙の闇】に消えていく…「太陽」の50億余年にわたる"紆余曲折"

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縮小
太陽が宇宙の闇に消えてしまうまでの果てしない道のりについて解説します(写真:FUTO/PIXTA)
生まれてきたものはいつか死を迎える──それは生命だけでなく、天体も同じです。そう語る宇宙物理学者の佐藤勝彦氏によれば、今から50億年以上先の未来には、太陽でさえも宇宙の闇に消えていってしまうそうです。
膨張と縮小を繰り返しながら終末を迎える太陽の運命と、その先にある「新たな生命体」の誕生の可能性について、佐藤氏の著書『眠れなくなる未来の宇宙のはなし』から一部を抜粋・編集する形で解説します。

老年期を迎えた星は巨大化して赤く見える

生まれてきたものはいつか死を迎える──それは生命だけでなく、天体も同じです。今から50億年以上先の未来に訪れる、地球と太陽の最期の姿を紹介しましょう。

現在の太陽は中心部で水素(の原子核)を燃やしてヘリウム(の原子核)を作る核融合反応を起こして、膨大なエネルギーを放出しています。この状態は星としての大人の段階、安定した状態であり、主系列星と呼ばれます。

太陽の場合、少なくともあと50億年は主系列星の段階にいると思われます。ですがやがて、太陽は燃料の水素をほぼ使い果たし、中心部は燃えかすのヘリウムだらけになります。

もはやエネルギーを出さない中心部は収縮して、そのために温度が上がります。すると、その周囲にある、まだ燃えずに残っていた水素が激しく燃えて、大量の熱が放出され、その影響で太陽の表面がどんどん膨張していきます。

膨らんだ表面部分は温度が下がるため、巨大化した太陽は現在のような黄色ではなく、赤く見えることになります。こうした星を「赤色巨星」といいます。主系列星が壮年期の星であるのに対して、赤色巨星は老年期を迎えた星だといえます。

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