「ガラパゴス」と呼ばれる日本のPCゲーム市場へ、独自AIチップ搭載40万円超えゲーミングPCで挑むレノボの勝算

世界最大のPCメーカー、レノボが日本のゲーム市場で攻勢を強めている。同社は世界のゲーミングPC市場でトップメーカーだ。同社によると2024年度のシェアは28.6%に達している。
6月下旬、東京都内で開催された新製品発表会。レノボ・ジャパンの三島達夫氏は「日本の市場は非常にユニーク」と表現した。世界のゲーム市場ではPCとコンソール(家庭用ゲーム機)がほぼ均等にシェアを分け合うが、日本は違う。ファミ通ゲーム白書2024によると、2023年の日本のゲーム市場2兆1255億円のうち、PCゲームはわずか11%(約2359億円)。最大勢力はモバイルゲームで58%、次いで家庭用ゲームが31%を占める。
なぜ世界トップ企業が、この「ガラパゴス」市場に挑むのか。最新のフラッグシップモデル「Legion Pro 7i Gen 10」の価格は41万2830円からだ。

日本特有のゲーム文化
なぜ日本でPCゲーミングが普及しないのか。最大の理由は、ファミコン時代から続く家庭用ゲーム機文化が根強いことだ。5万~6万円程度で購入できるPlayStationやNintendo Switchで、最新の大作ゲームが快適に遊べる。40万円を超えるゲーミングPCを買う理由が見つからない。加えて、『マリオ』『ゼルダ』『ポケモン』など日本で人気のタイトルの多くは任天堂ハードでしか遊べない。PCゲームといえば、難しい設定が必要でハードルが高いというイメージも根強く残っている。
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