「老後なんてまだ先のことでしょ」と定年になってから「老い」を考え始めるのでは遅すぎる納得理由

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アクティブシニア
人生100年時代。よりよく生きることが大切であるように、よりよく老いることも大切なのです(写真:プラナ/PIXTA)

ライフ・シフトの未来戦略: 幸福な100年人生の作り方』の著者は、ロンドン・ビジネススクールの経済学教授であり、経済政策研究センターのリサーチフェロー。

2016年に日本でも出版されたベストセラー『ライフ・シフト』を、同僚のリンダ・グラットン氏とともに著した人物である。あれから9年も経っていることにまずは驚かされるが、このたびお目見えした本作に関して注目すべきは、「エバーグリーン型」への移行を強調している点である。

求められる「エバーグリーン型」の生き方

『ライフ・シフト』で示されたとおり、私たちはいまや“人生100年時代”を生きていかなければならないという課題と向き合っている。100年から現在の年齢を差し引いた“残りの時間”を“明るい未来”にするためには、変化に対応し、自分自身を少しでもよい状態に保つ必要があるのだ。

だからこそ、「エバーグリーン型」の生き方が求められるのである。

私たちは個人単位でも社会全体でも、言ってみれば「エバーグリーン(evergreen)型」への転換を果たさなくてはならない。メリアム・ウェブスター・カレッジ版英語辞典によると、「エバーグリーン」とは「季節を通して緑の葉をつけ、機能し続ける」常緑植物について用いられる言葉だが、広い意味では「つねにあらゆる局面で新鮮さを失わない」状態をあらわす。私たちは、長い人生でこれを目指すべきだ。(「はじめに」より)

人生が長引くにつれ、健康をはじめとするさまざまな要素は次第に衰えていくだろう。そのため、良好な状態で生きられる期間を少しでも長くしなくてはならない。老い方を変え、残された時間を最大限に有効活用すべきなのだ。

具体的にいえば、まずは長寿化についての知識を蓄える必要がある。また、それを踏まえて未来の自分のあり方をイメージし、肯定することも大切だ。そのうえで理想的な老い方を考え、そこへ行き着くために“いまできること”を実践することも忘れてはならない。

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