*病気よりも健康 エバーグリーンの課題においては、“よりよく老いる”という考え方をできる限り前進させたほうがよさそうだ。ネガティブな要素だけでなく、ポジティブな要素にも目を向けるべきだということである。
究極の目標は、「ゆっくりと」の段階を“非常にゆっくりとしか進まない”ようにし、健康の悪化を防ぐことにあるそうだ。ただし、これはずいぶん回りくどい表現ではある。そこで、「エバーグリーンの課題とはより長く健康を維持することである」と定義したほうがいいようだ。
私たちは老化を自然なプロセスであると見なす結果、健康と老化の間に境界線を引いて考えがちだ。しかし本当に必要なのは、老化そのものに目を向け、それを健康に関わるものと位置づけることなのだ。
よりよい老い方を目指すうえで重視すべきことのひとつは、寿命が長くなって増えた人生の日々を最大限活用すること。そしてそれを実現するためには、(もちろん加齢に伴う病気と闘うことも不可欠だが)人生のあらゆる時期に、健康、生きがい、社会との関わりを高めることだというわけである。
*不平等 「人がどのように老いるか」は、社会における格差の影響を受けざるを得ないようだ。所得レベルや教育レベルが低い人にとって、老化はけっして「ゆっくりと」進むものではないというのだ。エバーグリーン型の社会を目指すのであれば、そうした不平等は解消する必要がある。
よりよい老い方をするためにできること
結局のところ、エバーグリーン型の生き方はどのような結論に行き着くのか。著者いわく、それは以下の三段論法によって導きだせるそうだ。
前提2――長生きすることに関する最大の不安は、ひどい老い方をすることである。
エバーグリーン型の結論――よい老い方をできる可能性を最大限高めるために、いまできることをするべきである。(84ページより)
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