「老後なんてまだ先のことでしょ」と定年になってから「老い」を考え始めるのでは遅すぎる納得理由

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では、よい老い方をするためには具体的にいま、どうすればいいのだろう。

現時点でもっとも定評のあるアドバイスの多くで説かれているのは、基本的な健康習慣の重要性だという。とくに指摘されるのは、質の高い睡眠を十分に取ることの大切さだ。

また、タバコやアルコールを避け、肥満にならないようにすることももちろん忘れるべきでない。そして、同じくらい重要なのが運動だ。さらには、社会的・心理的な要素も無視できないだろう。

ここで紹介した助言がどれも目新しく感じられなかったとしても、それらが重要でないことにはならない(ただし、どのような睡眠と運動の仕方、食事の内容とタイミングが最良かに関しては、これまで以上に科学的に精査されるようになっている)。むしろ、長寿化の課題がかつてなく重要性を増すなかで、これらの助言に従うことの意義はいっそう高まっている。社会と個人にとっての課題は、健康の面で好ましい行動を取りやすいライフスタイルをどうやって築くかということだ。(92ページより)

老いは思いのほか早くやってくる

『ライフ・シフトの未来戦略: 幸福な100年人生の作り方』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

著者が述べているように、こうした助言に目新しさはないかもしれない。それ以前に、いま働き盛りにある方であればあるほど、老い方はイメージしづらいかもしれない。

「老いがいつか訪れるのは間違いないけれど、でも、まだ先のことでしょ」というように。

ところが実際のところそうではなく、老いは思いのほか早い時期に姿を現すものである。

だから“そのとき”のことを考えておくべきであり、そういう意味で本書は参考になるのではないかと感じる。

印南 敦史 作家、書評家

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いんなみ あつし / Atsushi Innami

1962年生まれ。東京都出身。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。「ライフハッカー・ジャパン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.jp」「文春オンライン」などで連載を持つほか、「Pen」など紙媒体にも寄稿。『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(PHP文庫)、『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』(日本実業出版社)『「書くのが苦手」な人のための文章術』(PHP研究所)、『先延ばしをなくす朝の習慣』(秀和システム)など著作多数。最新刊は『抗う練習』(フォレスト出版)。

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