
中国や韓国ではまんじゅうや春巻き、卵とじ、餃子などに利用されていますし、ベトナムでは生春巻きの具材として知られています。
にらはまた、葉が緑色の葉にらが有名ですが、そのほかに芽が出る前に覆いをかぶせて光を制限して作る黄にらがあります。日本ではあまり使われていませんが、特有のくさみがなく柔らかいことから、中国料理の高級食材となっています。
このほか、花茎(かけい)やつぼみは花にらと呼び、やはり中国料理の食材として利用されています。
生薬としても知られる
にらはおいしいだけでなく、薬効がある植物としても知られていて、江戸時代には薬草として栽培されています。
漢方薬に使われる生薬でもあり、種子を乾燥させたものを韮子(きゅうし)、葉を乾燥させたものを韮菜(きゅうさい)、鱗茎(りんけい)と葉の根元の白い部分を乾燥させたものを韮白(きゅうはく)、根と鱗茎を乾燥させたものを韮根(きゅうこん)といいます。
主に生薬として使われるのは、韮子です。黒色の微細粒で辛味があり、強壮薬や強精薬、止瀉薬として、頻尿やインポテンツ、腰気(おりもの)、下痢の改善などに用いられていました。また韮白は止血剤、韮根は下痢止めや吐血の薬としても活用されています。
ちなみに、下痢止めの民間療法の1つに、みそ汁に茶碗半分程度の炊いたご飯とにらを入れて煮込み、カツオ節を加えた「にら雑炊」があるので、おなかの調子が悪いときは試していただきたいです。
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