「魚肉ソーセージ50円」「刺身200円台」「ランチ500円」激安で人気だった≪さくら水産≫が“残すところ11店舗”まで衰退した納得の理由

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加えて、野田代表取締役が前述するように、安価なイメージが大きな障壁となった。2015年には投資ファンドのアスパラントグループに、2019年には梅の花グループに買収され、徐々に高価格帯へ舵を切るものの苦戦が続く。買収後すぐにコロナ禍を迎えた不運も重なり、現在の11店舗に至る。

現在の客単価は3200~3300円

振り返れば、良くも悪くも時流を反映したさくら水産だが、気になるのは現在の姿だ。夜の居酒屋業態に限れば、いまは客単価3200~3300円と、以前の1.5倍以上に推移する。

夜に訪れた際は、2人で料理6品、ソフトドリンクを1杯ずつ注文し、会計は5304円。ここにアルコールを2杯ほど追加すれば、平均的な客単価に落ち着く。

頼んだ料理は、寿司屋の卵焼き(438円)、おまかせ握り5種盛(878円)、海老カツ(548円)、魚河岸シーフードグラタン(658円)、とりの唐揚げ(548円)、日替わりのなめろうの青唐辛子和え(658円)。どれも値段に見合ったクオリティだが、価格に優位性を感じるわけでもなく、リピートするほど逸品かと言われると微妙だ。

おまかせ握り5種盛(税込878円)(筆者撮影)
寿司屋の卵焼き(税込438円)(筆者撮影)
海老カツ(税込548円)(筆者撮影)
魚河岸シーフードグラタン(658円)。なかにはタコが入っている(筆者撮影)
日替わりのなめろうの青唐辛子和え(税込658円)(筆者撮影)
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