南海電鉄「ラピート」プロしか知らない検査の裏側 今も斬新「レトロフューチャー顔」の専用設備も

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大がかりな検査には、4年または走行距離60万km以内で実施する重要部検査と、8年を超えない期間ごとに実施する全般検査がある。今回はいちばん規模の大きな全般検査だ。千代田工場での実務作業はグループ会社の南海車両工業が手がける。

この日は朝から、大型連休明けに入場していたラピートの車体を1両ずつ天井クレーンで吊り上げ、台車を取り外す作業をしていた。台車はまず人力で動かし、トラバーサという横方向に搬送する装置に載せられて工場内を移動し、作業場に運ばれる。

一方、台車と分離された車体は天井近くまで吊り上げられ、ほかの車両の頭上を越えて、車体用の作業場に降ろされる。ここで床下機器や部品の整備をする。ラピートの独特な先頭形状に対応した専用の足場も備え付けられている。

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普段は見られない姿

ラピートは重要部検査や全般検査の際、塗装し直して出場するため、車体は塗装が剥がされところどころパテで修繕された状態だった。普段は「ラピートブルー」と呼ぶカラーが基本で、さまざまなラッピングによる衣替えも話題になるが、検査中などにしか目にできないレアな姿だ。

南海ラピート 門型クレーン 吊り上げ
独特な先頭形状が特徴のラピート。クレーンで吊り上げて台車と分離する(記者撮影)
【写真をもっと見る】クレーンで吊り上げられるラピートの先頭車の後ろでは……10000系運行開始40周年と創業140周年を記念して濃淡グリーンのツートンカラーの復元塗装を施された特急「サザン」の車両が作業を見守っていた。
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