「食事・コーヒーで1500円超え」だが客足は途切れない…「決して安くない」コメダ、それでも愛される理由

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

実は、海外含め1004店の「コメダ珈琲店」のうち、41店の直営店を除くとすべて「フランチャイズ加盟店」だ(2025年2月期末時点)。

コメダホールディングス
コメダ珈琲店のロイヤルティのイメージ(コメダホールディングス資料より)

ただ、コメダのフランチャイズは、少々変わっている。一般的な外食のフランチャイズが「収益から一定分のロイヤルティ(ブランド・ノウハウの使用料。だいたい3~10%程度)を本部に収める」のに対して、コメダのそれは「席数×月1500円」。いわば「売り上げに比例して持っていかれるか、固定か」の違いだ。

「100席・月商1000万円」の店で例にとると、ロイヤルティが5%のフランチャイズ店は、月50万円を本部に支払う。頑張って月商1500万円に引き上げると、本部に収める金額も75万円に上がる。

これがコメダだと、1500円×100席で15万円。経営努力で月商が大きくなっても、本部に支払うロイヤルティは15万円ポッキリ。だからこそ、コメダのフランチャイズ店は、サービスレベルの向上や顧客・売り上げ獲得に力を尽くすのだ。

かつ、300万円の加盟金が2店舗目から半額となるため、コメダのフランチャイジー(営業権を与えられた事業者)は「もっと売り上げを上げよう!」「2店、3店目を出そう!」と、少し高めに経営目標を置き、長期的な人材育成まで取り組んでくれる。長時間営業する店が多い理由も、「その分の利益がロイヤルティで減らないから」といった面もあるだろう。

コメダ珈琲 チェーズNEXT
コメダは十数店を展開するメガフランチャイズが多い。「チェーズNEXT」が展開する16店は、回数券がグループ店のみの使用となる(筆者撮影)

かわりに加盟への審査や研修が厳しいとされており、簡単に経営権を獲得できないものの、コメダのフランチャイジーは「トラフィコーポレーション」(Tグループ)が31店舗(名駅ユニモール店・鳥居通店など)、「Canty」が13店舗(浅草橋駅前店・カインズ市原店など)など、多店舗展開・積極経営に力を尽くしてくれる。

ただ本部としては、このロイヤルティと、わずかな直営店の売り上げで成り立つのか? 実は、コメダHDの収益のもうひとつの柱は「フランチャイズ店舗への食材・備品販売」だ。

コメダの収益源は「フランチャイズへの卸売り販売」にあり!

コメダ珈琲店は全国に5カ所のコーヒー工場(愛知県一宮市、千葉県印西市、沖縄県糸満市など)やパン工場(愛知県春日井市など)などがあり、コーヒーやシロノワールのデニッシュパン、モーニングの山食パン・ローブパンなどの食材はすべて、工場から毎日配送されている。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事