京阪京津線800系、経験者だけが知る「運転のコツ」 急勾配・急曲線の山道、道路上で自動車と並走

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800系に乗って三条京阪から東へ向かうと、周辺に平安神宮や南禅寺をはじめとする観光地が数多くある東山、蹴上(けあげ)の両駅を経由する。東西線は自動運転でホームドアも完備されている。地下区間のまま九条山を越えて御陵駅。かつて三条―御陵間は地上の三条通を京津線が走っていた。

御陵で京阪の運転士に交代する。しばらく地下を走って地上に出ると京阪山科駅。この先は「これやこの 行くも帰るもわかれては 知るも知らぬも逢坂の関」の百人一首の歌で知られた東海道の難所、逢坂山を越える。現在の大動脈、名神高速道路は歌の作者の名をとった「蝉丸トンネル」が峠を貫いている。

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急勾配・急曲線が続く山岳区間

京津線にもトンネルがある。長さ250mの逢坂山隧道は、大阪・京都中心部の地下区間とケーブルカーを除けば、京阪全線で唯一のトンネルだ。

京津線の電車は山岳鉄道のような急勾配・急曲線をこなしていく。最大で61‰の傾斜は、大井川鉄道井川線(90‰)、箱根登山鉄道(80‰)に次ぐ国内3位の急勾配となっている。

終点の1駅手前、上栄町駅を出ると今度は併用軌道。路面電車として道路上を自動車と並走する。坂を下ると大きく右へカーブしてびわ湖浜大津駅に到着。琵琶湖西岸を南北に走る石山坂本線(いしやまさかもとせん)と乗り換えられる。京津線と石山坂本線を合わせて「大津線」と呼ぶ。

京津線 800系 急カーブ
大谷―上栄町間の急曲線区間。編成を折り曲げるようにしてカーブをこなしていく(記者撮影)
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