「高齢者こそたんぱく質をとり、筋肉をつける必要がある」 医師が指摘する"筋力低下"の深刻な末路

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筋肉の衰えが高齢者にもたらす弊害について解説します(写真:polkadot/PIXTA)
「要支援・要介護になるトップの原因は、認知症でも脳血管疾患でもなく、『運動器の故障』です」と語る、よこはま土田メディカルクリニック院長の土田隆氏ですが、じつは、そうした要介護予防の観点以外からも「高齢者こそたんぱく質を正しくとり、筋肉をつける必要がある」とも指摘します。
筋肉の衰えにより高齢者にもたらされる弊害には、どんなものがあるのでしょうか。土田氏の著書『医者が考案した たんぱく質をたっぷりとる長生きスープ』から一部を抜粋・編集する形で解説します。

要支援・要介護の原因トップは「運動器の故障」

たんぱく質、脂質、糖質の「三大栄養素」は、私たちの生命維持に欠かせないものです。なかでも筋肉の重要性を考えるなら、たんぱく質、とりわけBCAA(「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」の3つの必須アミノ酸)が重要になってきますが、本稿では、なぜ高齢者ほどたんぱく質が必要なのか、筋肉が衰えてしまうとどうなるのか、というお話をさせてください。

要支援・要介護になるトップの原因をご存じですか? それは、認知症でも脳血管疾患でもなく、「運動器の故障」です。

運動器とは筋肉・骨・関節・神経などの総称で、歩く・立つ・座るなど、私たちが日常的に行っている動作は運動器が連携して働くことで成立しています。そしてどれか1つでも故障すると、相互に悪影響を及ぼしてしまいます。

とりわけ、意識しないとすぐ衰えてしまうのが、筋肉。特に年齢を重ねていくと、筋肉の衰えにより、ほかの運動器に負担がかかったり、痛みで動く意欲を失ってしまったりという負のスパイラルに陥ってしまいます。

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