「高齢者こそたんぱく質をとり、筋肉をつける必要がある」 医師が指摘する"筋力低下"の深刻な末路

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また、筋肉をつけることは、疲れにくい体を作ることにもつながります。

その理由の1つは、冷えを解消し、体温を上げて免疫力アップが期待できること。さらにもう1つの理由が、エネルギーに満ちた体になれることです。

ミトコンドリアが増え「体の貯水能力」もアップ

疲れにくい、エネルギーに満ちた体になる。そのカギとなるのが「ミトコンドリア」です。

ミトコンドリアとは、全身の細胞の中にある器官で、呼吸から酸素を取り入れてエネルギーを作ります。この、人体の「エネルギー工場」のようなものが、なんと1つの細胞に約100〜2000個も存在しているんです!

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ミトコンドリアは特に筋肉の中に多く存在するので、筋肉が増えれば、おのずとミトコンドリアも増えることになります。つまり、筋肉を増やすことで疲れにくい体へと導くことができるというわけです。

もう1つ触れておきたいのが、筋肉の保水性について。こんにちの日本の夏は、記録的な暑さに見舞われており、室内にいても熱中症や脱水症の危険にさらされていますよね。

ですが、熱中症や脱水症の危険は1年中潜んでいるのをご存じでしょうか? 運転中や就寝中などは、とりわけ体が水分を失うタイミングです。

熱中症・脱水症の予防には、こまめな水分補給が欠かせません。そこで大切なのが、筋肉です。

人の体は成人で約60%が水で構成されていますが、なかでも筋肉は最も水分を蓄えている、いわば「貯水タンク」。つまり、筋肉量を増やせば体の保水力がアップし、脱水状態になりにくくなり、熱中症・脱水症を予防できるのです。

また、腰痛に悩んでいる方にぜひ知っておいていただきたいのですが、筋肉の水分が不足することで筋肉が硬くなり、体の老廃物が排出されなくなった結果、腰痛につながる場合があるといわれています。

こまめな水分補給は、元気に過ごすための筋肉ケアだということも心得ておきましょう。

土田 隆 よこはま土田メディカルクリニック院長、日本医師会認定産業医

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つちだ たかし / Takashi Tsuchida

日本体育協会公認スポーツドクター。東邦大学医学部卒業後、東邦大学医療センター大森病院脳神経外科学教室入局。1987年、磯子脳神経外科病院設立と同時に赴任。1989年、同院副院長就任。1991年、磯子中央病院合併と同時に同院副院長就任。1999年、磯子中央病院健康管理センター発足とともにセンター長を兼任。2011年、よこはま土田メディカルクリニックを開院。著作の上梓やテレビなどのメディア出演も多数。著作に『たった2週間で内臓脂肪が落ちる 高野豆腐ダイエット』(アスコム)など。YouTubeちゃんねる「Teamどくたん」でも発信中。

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