「食べてよし、ちょい飲みにも最適」「他のファミレスを駆逐するかも」…。東京進出が話題の「資さんうどん」。都民が行ってわかった"凄さ"

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そもそも、先ほど書いたように、1人用のカウンター席から2人席、4人席と席種が多いことで、店舗構造からもさまざまな人の需要に応えられる。

また、そもそも関東には家族で行ける低価格の和食ファミレスが薄かった。より正確に言うと、「和食さと」や「華屋与兵衛」などもあるのだが、少し客単価がやや高めであり、4人や5人で行くとなると結構な差が生まれてしまうのだ。その点、資さんは価格面で大きな優位性を持つと言える。

このように「キャラ立ち」しつつ、「さまざまな人の需要に応えられる」という2つの側面が、その人気を支えているのだと思う。

資さんうどんは「次世代のファミレス」だ

資さんうどんの強みをまとめるとこうだ。

①市場が飽和し「個性」が求められる現在のファミレス業界の中で、メニューやSNS戦略などを通じて「キャラ立ち」している

②さまざまな年代・属性の人に対応するメニューや店舗構造で、多くの人が利用できる

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こうしてみると、資さんうどんは旧来のファミレスの良い部分と、これからのファミレスに求められている部分を両立させている。「次世代のファミレス」と言ってよく、大袈裟かもしれないが、その他のファミレスを駆逐してしまうポテンシャルを感じる。

だから、資さんうどんはかなりポテンシャルがあるし、それを見込んだすかいらーくグループの先見の明に改めて驚く。

2025年は新たに21店舗の資さんうどんが誕生する。現在は関東で2店舗しか展開がなく、そこに人が集中している状態だが、客足が分散して待ち時間が減れば、より多くの人が資さんうどんを使うようになるだろう。

資さんうどんの本格参入によってファミレスがどのように変化するのか、楽しみに見届けたい。

【もっと読む】いきなりステーキ「静かに黒字化」何が変わったか 急成長→凋落→ひっそり回復基調…その現状とは では、黒字化を果たした「いきなり!ステーキ」の変化の状況について、チェーンストア研究家の谷頭和希氏が詳細に解説している。
谷頭 和希 都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家

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たにがしら・かずき / Kazuki Tanigashira

都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家。1997年生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業、早稲田大学教育学術院国語教育専攻修士課程修了。「ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾 第三期」に参加し宇川直宏賞を受賞。著作に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』 (集英社新書)、『ニセコ化するニッポン』(KADOKAWA)、『ブックオフから考える 「なんとなく」から生まれた文化のインフラ』(青弓社)がある。テレビ・動画出演は『ABEMA Prime』『めざまし8』など。

X:@impro_gashira

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