35歳でメジャーへ、菅野智之は黒田博樹になるか 共通する変化球駆使の投球術 期待される活躍
「フォークが厄介でしたね。菅野さんの変化球はスライダー、カットボールなど横の変化で勝負する印象だったのですが、昨年はフォークの精度が上がって縦の変化をケアしなければいけなくなった。
ツーシーム、カーブも有効に使っていたし、配球の組み立てが多彩になりました。直球は前の年より球速が上がった印象はないんですけど、差し込まれることが多かった」
菅野の昨季の平均球速は150キロに満たない。メジャーの先発投手では平均以下の数字だが、直球の速さで先発投手の価値が決まるわけではない。
実際、昨年からカブスで活躍する今永昇太は直球の平均球速が147キロだったが、打者の手元でホップするような軌道の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーションで、173回1/3を投げて174奪三振を記録。
15勝3敗、防御率2.91の好成績で大きなインパクトを与えた。
35歳過ぎで渡米した先発投手の2ケタ勝利はない
ただ、菅野の年齢から活躍を疑問視する声はある。
これまでも35歳を過ぎてから海を渡った日本人投手はいるが、ドジャースなどで中継ぎ・抑えとして活躍し、通算21勝84セーブをあげた斎藤隆氏の例はあるものの、先発型ではメジャーで2けた勝利をあげられた投手はいない。
ただし、35歳前に渡米し、35歳を過ぎてもメジャーで活躍し続けた投手はいる。今なら38歳のダルビッシュ有(パドレス)、かつては黒田博樹氏(現広島球団アドバイザー)がその例だ。
メジャーの取材経験があるスポーツ紙デスクは、「菅野にとって参考になる投球スタイルは黒田さんでしょう」と言う。