「仕事が終わらない…」抱えすぎたタスクに「優先順位」をつける思考法

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「そうですね……。たとえば業務の定型度合いと習熟度なんかはどうでしょうか」

「それはいいアイデアだね。定型業務の比率が高くて習熟度が高い部下であれば、そこまで込み入った指導は必要ないだろう。一方で、非定型業務の比重が高く、習熟度も低い部下であれば、きめ細かな指導が必要になる。コーチングで気付かせるアプローチなんかも有効かもしれない。他にアイデアはあるかな」

いろいろな軸は思いつくのだが、どのように組み合わせればいいのだろうか。

「他にですか……。年齢と性別はどうでしょう」

「……もちろんその軸もありえなくはないかな。ただ、この時代に指導の方針を考える上でそんなに外的属性が重要かな?」

「たしかにそうですね。かえって変に型にはめてしまうかもしれません」

「マトリクスは作ることが目的ではなくて、効果的に使えるかどうかが大事なんだ」

「……」

私は数分考えてみた。

「マトリクス思考」で仕事の効率を上げる

「では、コミュニケーションの度合いと成績の2軸なんかはどうでしょうか」

「うん、それはいいアイデアかもしれないね。成績が悪いのにあまりコミュニケーションしない部下は何を考えているかわからないところがあるから、積極的にコミュニケーション量を増やすといいかもしれないな」

「こう考えてみると、いろいろと自分でマトリクスって作れるものですね」

「それがマトリクス思考のパワーさ。この考え方をマスターして仕事に活用するといろんなメリットがあるよ」

「ただ、実際に役に立つマトリクスを作るのは意外に難しいですね」

「だからこそ考えがいがあるんじゃないか。マトリクス思考は一見単純だけど奥が深いんだ。論理的思考や創造性を鍛えることにもつながるから、ぜひ日頃から意識して使ってみるといいよ」

嶋田 毅 グロービス経営大学院教授、グロービス出版局長

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しまだ つよし / Tsuyoshi Shimada

グロービス経営大学院教員、グロービス出版局長。東京大学理学部卒業、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計160万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」のプロデューサーも務める。著書に『MBA 100の基本』『ビジネスで使える数学の基本が1冊でざっくりわかる本』『KPI大全』(以上東洋経済新報社)、『グロービスMBAミドルマネジメント』(ダイヤモンド社)など。経営戦略、テクノベート・ストラテジー、研究プロジェクトなどの講師を務めるほか、各所で講演なども行っている。

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