「赤いきつねCM」露出ないのに"性的"と炎上のワケ 日清食品「どん兵衛」の"擬人化CM"は許されたが…

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赤いきつね
「『だし』が美味いとホッとする。」をテーマに制作されたアニメーションCM(画像:YouTube「maruchanchannel」より)

「東洋水産株式会社(マルちゃん)」の公式Xアカウントが2月6日に投した「赤いきつね」のアニメ動画が“性的”だと物議をかもしており、SNS上では賛否両論の議論を呼んでいる。

動画の内容は、若い女性が自宅で「赤いきつね」を食べるシンプルなものだ。女性が露出度の高い服装をしているわけでもなければ、男性に媚びを売るような態度を示しているわけでもない。

女性が頬を赤らめたり、口元がアップで映されていたりするシーンや、髪を耳元に上げる仕草を“性的”と感じる人がいたようで、「気持ち悪い」「不快」という声が上がっている。

こうした反応に対して、「クレーマー」「過剰反応」といった反発も出ており、議論が巻き起こっている状況だ。

【写真を見る】「女からしたら本当に気持ち悪い」「どこがダメなん?」物議をかもした「赤いきつね」の実際のCM内容(9枚)

「赤いきつね」のCM内容に問題はない

SNSの声を見る限り、CM動画を擁護する意見のほうが優勢で、批判的な意見は少数派だった。

人々の意見はさておいても、このCM動画は、表現上問題があるとは思えないし、取り下げる必要もない。

しかしながら、今回の騒動は、今後の広告表現で考えるべき論点を提供しているのもまた事実であるように思う。

近年、広告表現で最も炎上が多いのがジェンダー表現に関するものだが、性的な表現が問題になることも多い。

昨年、マクドナルドの「いまだけダブチ食べ美」のキャラクターを論じた際にもいくつか例を挙げたのだが、日本でアニメやキャラクターの性的表現が議論になることは、過去にいくつもあった。

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西山 守 マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授

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にしやま まもる / Mamoru Nishiyama

1971年、鳥取県生まれ。大手広告会社に19年勤務。その後、マーケティングコンサルタントとして独立。2021年4月より桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授に就任。「東洋経済オンラインアワード2023」ニューウェーブ賞受賞。テレビ出演、メディア取材多数。著書に単著『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』(宣伝会議)、共著『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』(彩流社)などがある。

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