人工甘味料のみならず、すべての添加物は、ネズミなどを使った「安全性試験」を経て、指定(認可)されます。
「厚労省が厳しい検査をして認可したものは安全だろう」と思うかもしれませんが、指定されたあとから取り消しになる添加物など、ざらにあります。
添加物は「認可」と「削除(禁止)」の歴史なのです。
人工甘味料では「チクロ」と「ズルチン」が使用禁止になった例が
「チクロ」は1956年に指定されたものの、発がん性が疑われて1969年に指定取り消しになっています。先ほどの「サッカリン」同様、記憶にある方もいらっしゃるでしょう。
天然系の高甘味添加物には「甘草」と「ステビア」があります。食品加工においては天然のまま使われるのではなく、酵素処理などで甘味度を上げた化合物が使用されます。
ちなみに過去、「甘草」に化学処理をした「グリチルリチン酸(三)ナトリウム」は禁止になりました。
つまり天然だから安全というわけでは決してないのです。
10年20年で「100%安全」と断言していいのか
人工甘味料はどんどん新しいものが出てきます。
「アスパルテーム」が日本で許可されたのが1983年、「スクラロース」は1999年、「アセスルファムK」は2000年。「アドバンテーム」にいたっては2014年です。
『食品の裏側2』に書いたことですが、これらの添加物を人間が食べ続けて本当に安全かどうか、それを検証するためには一定の「時間」が必要です。
そしてそれは「3世代・100年」ぐらいは必要だというのが私の考えです。
添加物が「認可」と「削除」の歴史だと考えると、10年20年で「100%安全」とは断言できない、まだまだ時間が足りないと、私は思います。
もちろん今、世に出ている人工甘味料の安全性は十分で、100年後も使われているかもしれません。
しかし、それは今はわからないということです。
「食の安全性は歴史の中にしかない」と私は確信しています。
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