中国自動車大手が「複合翼型」の空飛ぶクルマ発表 広州汽車、EVの電池技術や部品調達網を活用へ

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空飛ぶクルマの商用運航は、中国民用航空局から耐空証明(訳注:航空機の安全性について国の基準に適合しているという公的な証明)を取得することが前提になる。

広汽集団は2025年にGOVY AirJetの耐空証明を申請すると同時に、機体の量産に向けた準備を進め、購入予約の受け付けも始める計画だ。

広州汽車集団が2023年6月に発表した「GOVE」は、飛行ユニットと地上走行ユニットが分離するユニークな設計を採用していた(写真は同社ウェブサイトより)

GOVY AirJetは、広汽集団が開発に取り組んだ2機種目の空飛ぶクルマだ。1機種目の「GOVE」は2023年6月に発表され、同社の技術発表イベントで試作機がデモ飛行を行った。

中核技術にEVと共通点

GOVEは民生用ドローン(無人機)で一般的な、多数のプロペラを持つ設計を採用。しかし航続距離の短さと積載可能重量の小ささが弱点だった。

「われわれは航続距離がより長く、もっと多くの乗客を運べる(固定翼を併せ持った)複合翼型の空飛ぶクルマを開発していく」。広汽研究院の呉堅院長は、当時からそう予告していた。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

プロペラを駆動するモーターや電池など、空飛ぶクルマの中核部品はEV(電気自動車)との共通要素が少なくない。

広汽集団の馮興亜・総経理(社長に相当)はGOVY AirJetの発表会で、EV事業で培った高容量電池、高性能モーター、自動運転システムなどの技術や部品調達網が、空飛ぶクルマの事業化に向けた基盤になるとの期待を示した。

(財新記者:方祖望)
※原文の配信は2024年12月19日

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