和田秀樹「60歳からでも脳はどんどん発達する」 自分の限界を決めてしまうのはもったいない

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積み重ねてきた年齢と人生経験を武器に、花開くときを信じてください。諦めさえしなければ、人は何歳からだって発展し続けられるし、一生頭をよくし続けられるのです。

若い時より脳の働きをよくするのは十分可能なこと

意外かもしれませんが、脳はいくつになっても鍛えることができます。これまで、脳は年齢とともに衰えていくものだから仕方ない、と諦めていた方も多いことでしょう。

実際に専門家たちの間でも、20世紀まではそのように思われていました。脳の神経細胞は成人になってからは減る一方で、その後、増えることはないと思われていたのです。必然的に、大人になれば記憶力も衰えるものと思われるようになりました。

ところが2000年、ロンドン大学の認知神経学の研究者、エレノア・マグワイアー博士がこの常識を覆し、「脳の神経細胞は、大人になっても増えることがある」と報告したのです。

ことの発端は、マグワイアー博士が、ロンドン市中を走行するタクシー運転手たちの優れた記憶力に興味をもったことでした。

ベテラン運転手たちは、ロンドンの複雑な路地や裏道を詳細に記憶し、そのうえで、時間帯によって変わる道路の混み具合なども加味しながら、毎回、最適なルートを導き出しています。

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